Galuchat
ガルーシャ
「ガルーシャ」は、動物性・ミネラル性の両方の成分を併せ持つユニークな素材で、毒針を持つ種類「アカエイ」のエイ革。
クロコダイル・リザード・パイソン・オーストリッチなどと同じく、固有の特長を有するエキゾチックレザーに分類されている。
人間の歯と同じリン酸カルシウムでできており、他の革と比べても圧倒的に堅固で扱いにくく、
"100年モノ"と言われるくらい強度と耐久性に優れていることで有名で、磨けば磨くほどツヤ感が増す性質も併せ持つ。
また、"海の宝石"と呼ばれるように、美しく覆っているガラスビーズを散りばめたような小さな鱗と、
地中海の潮風を指先で感じるような冷んやりとした感触が魅力。
さらに、昔から"ラッキーフィッシュ(幸福の魚)"とも呼ばれ、財布・携帯品として使用すると開運・金運がアップするとされ、
古来より、国内外問わず、権力者が縁起担ぎで"刀の柄"に好んで使用するほど、縁起の良い革素材としても重宝されてきた。
手で触れた際に、小さな粒がグリップ力を高めて“滑らない”実用的なメリットがあるとともに、
スピリチュアルな要素として"魔除け"や"心の浄化"といったパワーを宿しているとも言われている。
エイ革の呼び名には、「ガルーシャ(Galuchat)」「スティングレイ(Stingray)」「シャーグリーン(Shagreen)」と色々ありますが、『アトリエ アクナス』では、18世紀頃のフランスで刀・短剣などの鞘作りでエイ革を用いて第一線で活躍した、ジャン・クロード・ガルーシャ(Jean Claude Galuchat)にちなみ、本場フランスの発祥らしく「ガルーシャ」と呼称。職人ガルーシャは、当時の国王ルイ15世に寵愛され、お妾やポンパドール婦人のための特注で、エイ革の宝石箱を作って進呈したという記録も残されています。このような、フランスに由来する「ガルーシャ」の伝統工芸を受け継いだデザイン性を軸に、さらなる技術革新を図るために、世界最高レベルの品質を生み出しているタイの製造工場を営むフランス人タンナー(鞣し加工者)の管理のもと、革製品などの加工が難しい「ガルーシャ」において高度な加工技術を誇る東南アジアのクラフトマンたちの手により、ひとつひとつ手作業で製造しています。
『アトリエ アクナス』では、主に南シナ海やアンダマン海峡周辺で捕獲したエイを扱っており、食用や医療用として使われた後の革部分を使用することで、無駄のないエコ利用を推進。商品製造前の重要な流れとしては、エイの身体から剥がされた皮部分の腐蝕を避けるために、上質の塩に漬けられた状態でタイのタンナーへ早期に搬送しています。次に、性別・サイズにより選別し、美しさに欠ける表面の粗いビーズ部分を、職人が目と指先の感性で見極めて切削。さらに、床面の肉厚な部分は、余分な肉や脂肪を削いで、薄さ約1.5mm〜2mmの厚さに揃えていきます。この工程を染色前に規律正しく行うことで、染色剤や水を無駄に使用することなく、環境に配慮した工程で効率化も図っています。本場フランスから買い付けて厳選したオリジナルレシピの染色剤と化学薬品は、『アトリエ アクナス』の欧州パートナーからの供給。染色剤・化学薬品・精製水を混ぜた木樽の中でエイ革をじっくり漬け込み、相当に大量の染色剤を用いて、この工程は4回ほど繰り返します。その後、“深染め”と呼ぶのに相応しく、2週間ほど費やしてじっくりと寝かせて浸透。これにより、表面のビーズだけでなく裏側までもしっかり染色剤を浸透させることができるので、仕上げにスプレーで色を塗布する必要もなく、鮮やかで豊かな色出しを実現しています。
深染め後は、コットンを用いた“バフがけ”で丹念に研磨。ヤスリ掛けの段階を経たエイ革は、とても自然でやさしいセミマットになり、ビーズひとつずつの先端が少し丸みを帯びた仕上がりになります。触ってもしなやかな風合いになり、最終的に『アトリエ アクナス』が使用するのに相応しい「ガルーシャ」が誕生。工房でのすべての工程において、クオリティコントロールの厳正基準を課しており、「ガルーシャ」の品質も、EUの革選定協会によってダイヤモンドグレードと同じように、独自に革の柔らかさ・色・磨きなどによって“5つのクラス分け”を行っています。そして、革小物の特性に最適なクラスの「ガルーシャ」を選定して、商品が作り出されています。自然の産物を扱っているので、仕入れ時期によって多少の色みやビーズの大きさに違いが出ることは避けられませんが、『アトリエ アクナス』ならではの「ガルーシャ」の豊富なカラーバリエーションと、本来硬いとされる「ガルーシャ」が驚くほどしなやかさで柔らかくなる点は、他社には見られない格別の特長。そして、手作業で作られる商品すべてが、自信を持ってお届けできる最高峰のクオリティに仕上げています。
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